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喫煙とメタボリックの関係は?

メタボリック健診(メタボ健診)では、肥満、脂質、血糖、血圧の各基準以外に喫煙の有無が特定保健指導の方法を決めるうえでの項目としてあがっています。
喫煙とメタボリックにはどのような関係があるのでしょうか?

メタボリックというと、太りすぎの症状というイメージが強いですが、最終的には「動脈硬化になって命に関わる重大な病気を引き起こす危険度」を現しているものです。
つまり、血管にダメージを与えたり、血管を狭くする原因となるものが基準に挙げられているのです。
つまり、タバコにも動脈硬化を進行させる作用があるということです。

タバコは4000種類以上の化学物質を含んでいて、そのうち有害物質は200種類以上といわれていますが、中でも健康への有害性が高いのがタール、ニコチン、一酸化炭素です。

ニコチンと動脈硬化

ニコチンは、末梢の毛細血管に吸収されて、毛細血管を収縮させます。
毛細血管が収縮すると、血液が通る道が狭まる訳ですが、心臓は血液を何とか全身に送ろうとするので、心拍数が増加し、それにともない血圧が上がります。
このニコチンによる血管の収縮と血圧の上昇は血管の内側の壁にダメージを与えます。
ダメージを受けた血管は、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を取り込みやすくなって、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が血管壁へ沈着しやすくなるので、動脈硬化になりやすくなるのです。

一酸化炭素と動脈硬化

一酸化炭素は、酸素を全身に運搬する役割をしている赤血球中のヘモグロビンと結合します。
一酸化炭素と結合したヘモグロビンは、酸素と結合できなくなるので、体は酸欠状態になってしまいます。
酸欠状態を解消しようと、体内では赤血球を増産するように命令が出されます。
これに伴い血液を凝固させる作用が高まるので、血栓の形成を促進します。
また、ヘモグロビンと結合した一酸化炭素は、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を減少させますので、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増加して血管に蓄積されていくので、動脈硬化になりやすくなるのです。

以上のように、喫煙はメタボリックと動脈硬化という点で、深く係わっています。
政府の狙いとしては、日本の死因トップ3のうちの2つである「心臓病」と「脳卒中」の発症率を減らして医療費を削減したいという意図があるようです。
動脈硬化を早期に予防すれば、それによって引き起こる心臓病と脳卒中を予防できるということですね。
ですから、動脈硬化を進行させる喫煙もメタボリック健診(メタボ健診)の項目に挙がっているのです。

タバコは百害あって一利なしといわれるように、本人だけでなく、周りの副流煙を吸った方にも悪影響を及ぼしますので、喫煙されている皆さんは禁煙するように努力しましょう。

特定保健指導の方法

メタボリック健診で一定の基準値に該当した方は、特定保健指導の対象となります。
特定保健指導は、健診での該当項目の度合いによって「積極的支援」「動機付け支援」に分類され、該当しない場合は「情報提供のみ」となります。

積極的支援は、個別面接、グループ支援、電話、メールなどの方法で指導を受け、行動目標や行動計画を作成し、3ヶ月以上実施されます。
支援方法や時間によってポイント数が決まっていて、学校の単位のように合計ポイント数が定められたポイント数以上になるまで指導を受けなければいけません。
そして初回に行われる保健士や管理栄養士の面接から6ヶ月以上経過後に、もう一度健診を受けて検査値や生活習慣の改善具合を評価されます。

動機付け支援は、面接を1回受けるだけで、あとは作成した行動計画に基づいて自己で行動し、6ヶ月後に健診を受けます。

「積極的支援」「動機付け支援」「情報提供のみ」の分類方法は以下の通りとなります。

積極的支援該当者

  • 肥満基準で腹囲に該当+脂質、血糖、血圧の2つに該当+65歳未満
  • 腹囲基準でBMIのみに該当+脂質、血糖、血圧の全てに該当+65歳未満
  • 肥満基準で腹囲に該当+脂質、血糖、血圧の1つに該当+喫煙歴アリ+65歳未満
  • 腹囲基準でBMIのみに該当+脂質、血糖、血圧の2つに該当+喫煙歴アリ+65歳未満

動機付け支援該当者

  • 肥満基準で腹囲に該当+脂質、血糖、血圧の2つに該当+65歳以上
  • 腹囲基準でBMIのみに該当+脂質、血糖、血圧の全てに該当+65歳以上
  • 肥満基準で腹囲に該当+脂質、血糖、血圧の1つに該当+喫煙歴ナシ
  • 腹囲基準でBMIのみに該当+脂質、血糖、血圧の2つに該当+喫煙歴ナシ
  • 肥満基準でBMIのみに該当+脂質、血糖、血圧の1つに該当

情報提供のみ

  • 肥満基準に該当+脂質、血糖、血圧に該当なし
  • 全て該当なし

メタボリック健診(メタボ検診)

メタボリック検診が2008年からスタートしました。
メタボリック該当者やメタボリック予備軍に生活習慣改善を促して、生活習慣病の発生や悪化を早期にくい止めて医療費を削減しようとするものです。

メタボリック健診の対象者は40〜74歳の医療保険加入者で、健診の一定の基準値を超えた方は保健士や管理栄養士らの特定保健指導を受けなければなりません。
さらに、健診の目標を達成できない保険者には、ペナルティーとして後期高齢者医療制度の負担が最大10%加算される仕組みとなっています。

◎メタボリック健診基準・検査項目


メタボリック健診の検査項目は、いわゆるメタボリック診断基準だけではなく、腹囲が基準値未満であっても、世界中で肥満度の基準値として使用されているBMI(ボディ・マス・インデックス)が基準値を超えると肥満とされます。
また、血糖の検査も空腹時血糖だけでなく、HbAc1(過去1〜2ヶ月の安定的な血糖値)も検査基準となっています。


肥満

おへその高さの腹囲
男性85cm以上
女性90cm以上

または、
BMI(ボディ・マス・インデックス)25以上
※BMI=体重(kg)÷身長(m))÷身長(m)

+ プラス

@脂質

中性脂肪150mg/dl以上
または、
HDLコレステロール(善玉コレステロール)40mg/dl未満

A血糖

空腹時血糖110mg/dl以上
または、
HbAc15.2%以上

B血圧

収縮時血圧(俗に言う上の血圧)130mmHG以上
または、
拡張期血圧(俗に言う下の血圧)85mmHG以上



こらら健診の該当項目のパターンによって特定保健指導の方法が異なってきます。
喫煙歴も特定保健指導の方法を決めるうえでの項目になっています。
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